先生と私


心臓がドキリとした。


わたしはなにも答えられず、ただ地べたを見つめていた。


「答えてください。わたし、誰にも言ったりしませんから」


「…どうしてそんなこと知りたいんですか」


「…どうしてって……それは……」


「………」


「ゆいも先生のことが好きだからです」


「…え」


一瞬、耳を疑った。


彼女がわたしのことを好き?


何かの聞き間違いじゃないか。


「それに先生、いつもゆいのこと目で追いかけてるし……バレバレなんです!」

「いや、それは……」


< 20 / 51 >

この作品をシェア

pagetop