こじらせ女子の恋愛事情
「正直外に出ること自体あまりなれていないから、何だか疲れちゃった。

せっかくのところだけど、もう帰りたいわ」

帰って書き下ろしの話をまとめたいから。

危うく続きが出そうになったけど、すぐに飲み込んだ。

松坂くんはやれやれと言うように息を吐くと、
「わかりました。

無理やり連れてきて悪かったです」
と、言った。

「本当にごめんね」

謝った私に、
「日が暮れないうちに早く帰りましょう」

松坂くんは車の方へと足を向かわせた。

私はどうやら外で誰かと一緒にいることよりも、家でケータイ小説を書いている方が向いているみたいだ。

ある意味、なれないことをするもんじゃないわね。

車へと向かっていく彼の背中を追いながら、私は改めて感じていた。
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