こじらせ女子の恋愛事情

新作は全編書き下ろし

ハワイアンな音楽が流れるこのカフェは、私の行きつけの店の1つである。

仕事の終わりや休みの日はここへきて、まったりと過ごすことが定番だ。

その日も定時で仕事を終えると、私はここへきていた。

今日はのんびりとご飯を食べたり、お茶をしにきた訳ではない。

「浜崎さんもご存知の通り、去年の7月に発売された書籍は2回も重版がかかるほどの売れ行きを記録しました。

そこで今回のことなんですけども…」

私の向かい側で話をしているのは、担当の関口女史だ。

コーヒーを飲みながら話に耳を傾けていたら、
「書き下ろしをお願いしたいのです」

関口女史が言った。

「…はい?」

私は聞き返した。

書き下ろしって、あの書き下ろしですよね?
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