こじらせ女子の恋愛事情
「はい、わかりました」

首を縦に振ってうなずいた私に、
「では、次の打ちあわせは今月の終わりの予定です。

詳しい日時はまたメールをします」

関口女史は荷物をまとめた。

「お疲れ様でした。

お代はこちらで払っておきます」

私は会釈をした。

「ありがとうございます。

では、また」

関口女史は会釈を返すと、カフェを後にした。

彼女の後ろ姿が見えなくなると、
「ヨッシャー!」

私はグッとガッツポーズをした。

ケータイ小説を書き始めて今年で10年目、こんなチャンスを誰が予想していたことだろう?

高校2年生の頃からの努力が今ここで実った瞬間でもあった。
< 5 / 183 >

この作品をシェア

pagetop