こじらせ女子の恋愛事情
関口女史は顔を近づけると、
「どうですか?

1度挑戦して見るのも、悪くはないと思いますよ?

記念すべき5冊目の書籍化作品ですよ?」
と、言ってきた。

まるで悪徳業者のようなノリだ。

何となくだが、彼女が結婚できない理由がわかったような気がした。

そんなことを言っている私も、あまり人のことは言えないのだが。

「そうですね…」

私は人差し指を頬に当てて考えると、
「やります」
と、答えた。

「ありがとうございます。

発売は5月を予定しています」

今月は1月である。

4ヶ月も先の話になるのか…。

何度も経験していることなのだが、あまりピンとこないものである。

と言うよりもなれない。
< 4 / 183 >

この作品をシェア

pagetop