【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「零さん、それは今僕がしている事でしょう?わざわざ美姫に頼むことじゃ無いじゃないですか」


「それがあるんだよ。あの店は女性向けの店だろう?意見を言う人間は女の方が良いに決まってる。だけどむやみに女を雇うとあいつら目当ての奴が来るだろう。目当てじゃねぇ若い女を探すのも骨が折れる」


この社長さんの言うことも一利ある、とこの状況を見て思う。


確かに、女性向けなら女が意見を出す方がいいに決まってる。けど、イケメンしか分からない喫茶店なんだから店員目当ての人が来る確率が高い。


私はタクの知り合いだし、多分この人は私がミーハーじゃないと踏んだのだろう。


その予想は間違っていない。そもそも私は他人に関心もなく、学校でも誰が恰好いいとかそんな類の話を周りがしていても、見向きもして来なかった。


若くして起業しているだけに、短時間で人の事を見極める力をこの人は持っている。ただ顔の良いだけのタレントではない。自分さえビジネスに利用する、頭の良い賢い狡猾な大人。
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