【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「それにしても、なんですかその髪の毛。前の色から更に明るくなりましたね。リーダーのくせに」


「いやあ、脱色し過ぎちゃったんですよぉ。知ってるでしょ?俺、元々色素薄いから抜けやすいんだよねー、髪色」


大喜さんはタクと楽しそうに話している。なんだか、先日の零さんとタクとの会話を思い出すような親しさだ。


タクがお兄さんで、大喜さんは末っ子の弟といった雰囲気がある。


そんな二人を眺めている私に気付いたタクが、私の方を向いて説明を始めた。


「前にも話したと思いますが、僕は三年前までプリンスで働いていたのです。大喜とは二年間、同じ社員宿舎で過ごしていたのですよ」


「宿舎、ですか?」


よもや喫茶店のアルバイト店員にそんな物まで用意されているだなんて思いもせず、私は眉間に力を込める。


「今は家から通っているアルバイトの子達が殆どなんですけどね、僕や大喜は当時住み込みの方が都合が良かったんですよ。学校も近くて」


成程。ここからは男子校の星ヶ丘も近いし、それで宿舎で同じ時間を過ごしていたから仲が良いんだ。


なんて納得した私は、ニコニコと私を見つめる大喜さんの方を向いた。
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