【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
タクが私の隣に立ち、私の肩にポンと優しく手を置いた。応える代わりに顔を上げると、整い過ぎたその顔が、優しくくしゃりと形を崩す。


「皆さん、彼女が零さんから先日話のあった新しい監査の篝美姫さん。美姫、右の彼から、テツ、エディ、マサトです」


紹介されて頭を下げると、あちらの三人も頭を下げたり、笑顔で手を振ったり、よろしくと言葉にしてくれたりと返してくれた。


テツはイケメン俳優風、エディはハーフの美形、マサトはメンズモデルのような風貌で、爽やかイケメンの大喜さんも含め、皆それぞれに違った個性のある恰好いい人達の集まりに、思わず少したじろいでしまう。


「大喜も含めこの四人が今は働いています。四人じゃバタバタするので、僕や元従業員なんかもたまにヘルプで入ったりするんです」


タクは再度私に微笑みかけると、今度は従業員達の方を向いて、まるでシャワーのような勢いで言葉を放った。


「さあ、お喋りはここまでです。開店時間が迫ってますよ。皆さん定位置に戻って!」


タクが彼等を促すように手を叩く。そうすると彼等も各々、文句をぶつくさと言いながら散っていった。


「個性の強いメンバーばっかりですが、悪い人間はいませんから、仲良くしてやって下さい」


私の横であまりにも煌めいた笑顔をタクが言うものだから、私は見とれて動きが止まってしまった。


なんて、綺麗な顔で笑うのだろうか。
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