【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
オープンの為の準備が終わり、大喜さんを中心にミーティングが始まり、私はそちらには参加せず、厨房の衛生チェックを始める。
そうしちているうちにお店はオープン。オープンして一時間も経たないうちに、お店は二階のテラス席までお客さんでいっぱい。
「凄い……なんだか、お店全部が笑顔で溢れてる」
不思議で堪らなかった。だって、確かにこのお店にはイケメン揃いだけれども、ホストクラブのように店員を指名出来るわけじゃない。システム自体は普通の喫茶店と相違無いのに。
だけど、従業員の四人はそう言いつけられているわけじゃないけど、物を運んだ席や空いたものを下げる為に向かった席、歩いていて話し掛けられた席の全てのお客さんと、会話をする。
それが騒がしい感じはせず、勿論一人でふらりと入った静かに何かしたい人には配慮していたり、とにかく、この空間は大喜さんを中心に彼等の目が行き届いている。
ここは、ただイケメンに会えるだけの喫茶店ではない。だから、女性客は多いけれど、男性客や年配の人だっているのかも知れない。
それでも、私は何かここには足りない気がする。何か、プラスアルファが。彼等と、お客さんを彩る何かがあれば、もっと良い空間になるような気がするんだ。