【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ



目まぐるしく過ぎた朝営業が終わり、昼休み。控室で点数と本社に送るために撮った写真の確認をしていた。


従業員達はその控室で、まるで戦場を駆けてきた戦士達のように全員疲れを癒すようにぐったりしている。


そんな中大喜さんはホールリーダーだからとミーティングの準備をしているようだ。タクも一部目の売上を集計するのを手伝っている。


「タクさん、ちょっと相談があるんですけど今大丈夫ですか?」


そんな大喜さんとタクを眺めていて、ふと気付いてしまう。大喜さんはタクのことを『タクさん』と呼んでいる。


タクは私にはそう呼ばせなかったのに、大喜さんはごく自然に『タクさん』と呼んでいるし、タクだってそれを自然に受け入れているんだ。


なんで、なんだろう。どうして、私には呼ばせなかったのに昔からの知り合いの大喜さんはそう呼んでいるんだろう。


そう呼ばれるのは苦手だと言っていたけれど、それは、大喜さんと親しくなった後に何かあったから?
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