俺様当主の花嫁教育
だけど私は、最後まで御影さんの稽古を受けられなかった。
だからもちろん、私の仕上がりは屈辱に塗れただけの、あのお茶会の時のままだ。


新郎新婦がテーブルに挨拶に来た時も、西郷さんの目を奪ったとはいえない。
彼はチラッと私に目を向けただけだ。


息をのませるつもりだったのに、そう出来なかったことが悔しい。
だけど、それほど惨めに思わない自分もいる。
次のテーブルに移って行く二人を見送りながら、私はぼんやり考えた。


いつか千歳さんに言われた。
私の目的が変わって来てるって。
そういうことなのか、と今になって実感した。


御影さんの為にならないなら、西郷さんを見返すことに、大した意味はない。
私の復讐は、そんなことじゃなくなっていたんだ。


やり方は間違っていたんだ……。
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