俺様当主の花嫁教育
そして、すっかり和風に整えられた私は、再びリムジンに乗せられた。
揺られること、十分ほど。
着付け中にやっと名前を教えてくれた千歳(ちとせ)さんに促されて降り立って、目の前にそびえる『御殿』としか言えない立派過ぎる純日本家屋に、目も口も大きく開けて立ち尽くした。
「ほら、着いたわよ、志麻ちゃん……って、何締まりのない顔してるの。ちょっとわかってる? ここからが本番なのよ?」
だらしない私の表情に眉をひそめて、千歳さんは肩で大きな息をした。
そうは言われても……。
大きく開かれた重々しい門の先に広がるのは、どこぞの大奥か?と首を傾げたくなるような広い華やかな日本庭園だった。
入ってすぐの門の脇には、紅白幕を飾った『受付』と称された一角が設けられている。
そこに並ぶのは着物姿ではなくても、男性も女性もみんな品のあるスーツやらワンピースやらで、相当格式高い場所に足を踏み入れているのは言うまでもない。
御影さんのお姉さんだという千歳さんからかなり手短に説明されたところによると、『大寄せ』というのは一般大衆向けの『お茶会』で、初心者にも馴染みやすい茶道入門編と言ったところらしい。
いきなり着物着て茶道のお茶会!?とさすがに焦ったけれど、『入門編』と聞いてホッとした私を横目に、千歳さんは美しい顔を険しくするだけだった。
揺られること、十分ほど。
着付け中にやっと名前を教えてくれた千歳(ちとせ)さんに促されて降り立って、目の前にそびえる『御殿』としか言えない立派過ぎる純日本家屋に、目も口も大きく開けて立ち尽くした。
「ほら、着いたわよ、志麻ちゃん……って、何締まりのない顔してるの。ちょっとわかってる? ここからが本番なのよ?」
だらしない私の表情に眉をひそめて、千歳さんは肩で大きな息をした。
そうは言われても……。
大きく開かれた重々しい門の先に広がるのは、どこぞの大奥か?と首を傾げたくなるような広い華やかな日本庭園だった。
入ってすぐの門の脇には、紅白幕を飾った『受付』と称された一角が設けられている。
そこに並ぶのは着物姿ではなくても、男性も女性もみんな品のあるスーツやらワンピースやらで、相当格式高い場所に足を踏み入れているのは言うまでもない。
御影さんのお姉さんだという千歳さんからかなり手短に説明されたところによると、『大寄せ』というのは一般大衆向けの『お茶会』で、初心者にも馴染みやすい茶道入門編と言ったところらしい。
いきなり着物着て茶道のお茶会!?とさすがに焦ったけれど、『入門編』と聞いてホッとした私を横目に、千歳さんは美しい顔を険しくするだけだった。