俺様当主の花嫁教育
「本当に東和のこと、何も知らないのね……。って言うか、志麻ちゃん、東和とどういう関係?」
異次元空間を目の前に、ボーッとしながらも目を輝かせる私に、千歳さんは呆れた顔で腕組していた。
「え? えっと……」
訊ねられて我に返りながら、私は答えに困る。
これだけ和風には程遠い私を即席とはいえ『着物美人』にしてくれた千歳さんに、実は御影さんとは縁もゆかりもないとは言いにくい。
なんとかうまい言い逃れは出来ないものか……と思考を巡らせた時……。
「遅い。やっと来たか」
不機嫌さを隠しもしない低い声が背後で聞こえて、ギクッと振り返るより早く、
「東和! あんたね。あんな急に着付けて来いって言われて、時間に間に合う訳ないでしょう!?」
私と向き合っていた千歳さんが反応して、私は恐る恐る首を動かした。
そして……。
「っ……」
思わずゴクッと唾を飲み下してしまうくらい、すぐ後ろに立っていたその姿に意識の全部を持っていかれた。
だって、私の真後ろに立っていたのは、確かにこの間の夜の失礼な男、御影さんだったけど……。
今まで見たこともないくらい極上の着物美男子だったのだ。
萌黄色の着物に、それより少し濃い色合いの羽織。
サラッとした黒髪と切れ長の目はそのままでも、着物効果か、この間よりも更に妖艶度を増していた。
異次元空間を目の前に、ボーッとしながらも目を輝かせる私に、千歳さんは呆れた顔で腕組していた。
「え? えっと……」
訊ねられて我に返りながら、私は答えに困る。
これだけ和風には程遠い私を即席とはいえ『着物美人』にしてくれた千歳さんに、実は御影さんとは縁もゆかりもないとは言いにくい。
なんとかうまい言い逃れは出来ないものか……と思考を巡らせた時……。
「遅い。やっと来たか」
不機嫌さを隠しもしない低い声が背後で聞こえて、ギクッと振り返るより早く、
「東和! あんたね。あんな急に着付けて来いって言われて、時間に間に合う訳ないでしょう!?」
私と向き合っていた千歳さんが反応して、私は恐る恐る首を動かした。
そして……。
「っ……」
思わずゴクッと唾を飲み下してしまうくらい、すぐ後ろに立っていたその姿に意識の全部を持っていかれた。
だって、私の真後ろに立っていたのは、確かにこの間の夜の失礼な男、御影さんだったけど……。
今まで見たこともないくらい極上の着物美男子だったのだ。
萌黄色の着物に、それより少し濃い色合いの羽織。
サラッとした黒髪と切れ長の目はそのままでも、着物効果か、この間よりも更に妖艶度を増していた。