俺様当主の花嫁教育
千歳さんの言葉に腕組みをして眉をひそめた御影さんに、私の思考回路はようやく復活し始める。
「時間あるなら、志麻ちゃんに少しはお作法教えてあげたらどうなの? どうせお点前に席入りさせる気なんでしょ?」
「そのつもりだ」
そうそう、千歳さん曰く、それで私は赤っ恥をかくと言うのだ。
なんのことやらわからなかったけど、ここに来るまででやっと説明してもらえたから、これから迎える現実が怖い。
日本文化に疎い私は全く知らなかったのだけど、『御影』と言えば日本の茶道会でも特に由緒ある格式高いお家元なんだそうだ。
御影さんのおじいさんは人間国宝とまで呼ばれる立派な茶道家で、現在の当主はこの二人のお父さん。
そして、御影さんは本家の嫡男……つまり、彼は正統な血筋を引く茶道家で、本物の和風御曹司だったのだ。
聞いた話だけではあまりにぶっ飛んでいてむしろ信じ難かったけど、一瞬赤坂離宮に不法侵入したかと思うくらい立派な純日本家屋の邸宅で出迎えられてしまっては、疑惑の芽も摘み取られる。
そして着物姿の御影さんを目にしたら、確かに風格もあるし、日頃から和装で生活しているだけあって、着こなしもとても優雅だ。
そう、口が悪くて俺様な態度が残念だけど、とにかくたおやかなのだ、着物姿の御影さんは。
御影さんの返事を聞いて、「そうかじゃないわよ」と、千歳さんが眉を上げた。
「志麻ちゃんど素人でしょ!? あんたのお点前なんて、本家の賓客が列席するっていうのに、いくら大寄せでも一通りのお作法がないと可哀想だわ」
「時間あるなら、志麻ちゃんに少しはお作法教えてあげたらどうなの? どうせお点前に席入りさせる気なんでしょ?」
「そのつもりだ」
そうそう、千歳さん曰く、それで私は赤っ恥をかくと言うのだ。
なんのことやらわからなかったけど、ここに来るまででやっと説明してもらえたから、これから迎える現実が怖い。
日本文化に疎い私は全く知らなかったのだけど、『御影』と言えば日本の茶道会でも特に由緒ある格式高いお家元なんだそうだ。
御影さんのおじいさんは人間国宝とまで呼ばれる立派な茶道家で、現在の当主はこの二人のお父さん。
そして、御影さんは本家の嫡男……つまり、彼は正統な血筋を引く茶道家で、本物の和風御曹司だったのだ。
聞いた話だけではあまりにぶっ飛んでいてむしろ信じ難かったけど、一瞬赤坂離宮に不法侵入したかと思うくらい立派な純日本家屋の邸宅で出迎えられてしまっては、疑惑の芽も摘み取られる。
そして着物姿の御影さんを目にしたら、確かに風格もあるし、日頃から和装で生活しているだけあって、着こなしもとても優雅だ。
そう、口が悪くて俺様な態度が残念だけど、とにかくたおやかなのだ、着物姿の御影さんは。
御影さんの返事を聞いて、「そうかじゃないわよ」と、千歳さんが眉を上げた。
「志麻ちゃんど素人でしょ!? あんたのお点前なんて、本家の賓客が列席するっていうのに、いくら大寄せでも一通りのお作法がないと可哀想だわ」