君の隣
手術翌日の朝。
カーテン越しに差し込む光が、病室を淡く照らしていた。
電子音も、モニターの点滅も、規則的に整っている。
理名の寝息が深く整っているのを確認した拓実。
彼はようやく、ふっと長く息を吐いた。
理名は微熱と下腹部の違和感を抱えながらも、意識ははっきりしていた。
「おはよう……
まだ、顔むくんでる?」
「むくんでも可愛いから問題ない」
「……なんかそれ、言い方ずるいよね」
笑いながらも、理名はその“普通の会話”ができることに救われていた。
ゆっくり起き上がることさえ、今の身体にはひと仕事で、
その都度、拓実が枕元に手を添える。
「痛いところある?」
「ううん、大丈夫。
……あ、でも、寝返りがちょっと怖い」
「じゃあ、支えるよ」
たったそれだけのこと。
拓実の手が背中に添えられた瞬間、理名は思った。
──これからは、こうやって頼っていい。
──“強い自分”でいようとしなくてもいい。
カーテン越しに差し込む光が、病室を淡く照らしていた。
電子音も、モニターの点滅も、規則的に整っている。
理名の寝息が深く整っているのを確認した拓実。
彼はようやく、ふっと長く息を吐いた。
理名は微熱と下腹部の違和感を抱えながらも、意識ははっきりしていた。
「おはよう……
まだ、顔むくんでる?」
「むくんでも可愛いから問題ない」
「……なんかそれ、言い方ずるいよね」
笑いながらも、理名はその“普通の会話”ができることに救われていた。
ゆっくり起き上がることさえ、今の身体にはひと仕事で、
その都度、拓実が枕元に手を添える。
「痛いところある?」
「ううん、大丈夫。
……あ、でも、寝返りがちょっと怖い」
「じゃあ、支えるよ」
たったそれだけのこと。
拓実の手が背中に添えられた瞬間、理名は思った。
──これからは、こうやって頼っていい。
──“強い自分”でいようとしなくてもいい。