君の隣
その瞬間、再び響いた心電図の「ピッ」という音。

小さく、かすかな命の波。

朱音が叫ぶ。

 「戻った!
モニター再開!」


麻未が呼吸器を再調整し、慎也が薬剤の投与を続ける。

拓実は、涙に濡れた目で理名を見下ろしながら、唇を噛みしめた。

「必ず……

 一緒に、生きていこう」

それは、恋人ではなく、医師としての。

 そして一人の人間としての──
 揺るぎない誓いだった。

 人工呼吸器の規則正しい音だけが、暗いICU室に静かに響いていた。

夜の病棟は、まるで時間が止まったように静まり返っている。

 外来も消え、ナースステーションの灯りが、かすかに廊下を照らしていた。

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