君の隣
朝の光が、カーテンの隙間から静かに差し込んでいた。

 白いシーツに絡まりながら、理名は拓実の胸に頬を寄せ、まだ眠たげな目で彼を見上げる。

「……もう、朝なんだね」

「うん。

でも、まだ起きなくていいよ」

拓実は、理名の背中に回していた腕を少しだけ強く抱き寄せた。

ふたりの肌がまた触れ合って、体温が穏やかに伝わる。

「昨夜、ちゃんと眠れた?」

理名が微笑む。

 「……拓実がそばにいてくれたから。

 すごく安心した。

 こんなに穏やかな朝、久しぶり」

「俺も。

 理名が隣にいるって、信じられないくらい嬉しい」

頬に軽くキスを落としながら、拓実の声が囁くように続いた。

「……何度でも言うよ。

どんなことがあっても、俺は君を愛してる。

 子どもができても、できなくても──

 理名と生きるって決めたから」

理名の瞳が揺れた。

 昨夜と同じ、深くてやわらかな想いが胸を満たしていく。

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