君の隣
カーテン越しに射し込んだ柔らかな光が、白いシーツに溶け込む。

 麻未は、慎也の胸元にぴったりと顔を寄せたまま、まどろむように目を細めた。

「……ん、朝?」

 「うん。

 おはよう、麻未」

 「……ずっと起きてたの?」

 「起きたばっか。

 けど……麻未がこうしてくっついてくれてるから、起きるのがもったいない」

「もうっ。

  ……なにそれ」

慎也の指が、麻未の胸にかかる長さの黒髪をゆっくり撫でる。

 優しい呼吸の重なりと、夜を超えたふたりの体温──。

「……ずっとこうしてたい」

「慎也も甘えてくれるのね」

そう言いつつも、麻未は頬を染めながら、慎也の胸に指先を滑らせる。

「昨夜……すごかったね」

「うん。
……あれはもう、理性とか限界だった。

 奥さんが色っぽいからだよ?」

朝焼けがゆっくりと、ふたりを包む。

「慎也……これからも、ずっと一緒にいてくれる?」

「……当たり前だろ。

 麻未が望む限り、俺はそばにいる。

 たとえ未来がどう転んでも、俺の選択肢はひとつだけ」

「……慎也……」

麻未は、そっと慎也の手を握る。

指先から伝わる鼓動が、静かにふたりを繋いでいた。

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