恋がしたい。ただ恋がしたい。

寝室に戻り簡単な部屋着に着替えるとキッチンに向かい、冷蔵庫からお粥を取り出し温めて食べた。


卵が入っているお粥は、私の知っている裕介くんの心と同じように優しくて温かかった。


ふっ、と心に重苦しくのし掛かっていた黒い感情が少しだけ軽くなったような気がする。


他の人に優しくしていたって、彼女がいたって、今この瞬間の優しさは私だけに向けられたものだ。それだけは間違いない。



…裕介くんに、私の気持ちを伝えよう。



なぜか自然にそう思えてきた。



今日のシフトは遅番だけど、その後で彼女の所に行くのかもしれない。


…もしかしたら、帰って来ないかもしれない。



でも、それでもいいと思った。



夜までにはだいぶ時間があるから、体調をしっかり整えて準備しなくちゃね。


私は鞄からさっきしまった頭痛薬を取り出して、水と一緒に身体に流し込んだ。



起きた時には少しはマシな状態になってますように…そう思いながらベッドに横になる。


少しだけ休むつもりだったけど、疲れた身体に頭痛薬が効いたのか、意識が溶けていくようにいつの間にか深い眠りに落ちていた。
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