恋がしたい。ただ恋がしたい。

***

「おはようございます!!」


月曜日の朝の通学路は一週間の始まりだからか、挨拶の声も元気良く聞こえて賑やかに感じる。


「崎ちゃん先生おはよー。」

「おはよう。」


崎山だから『崎ちゃん先生』。これが私の愛称のようなものだ。普通に名字で呼ばれるよりも親しんでもらえているようで、嬉しくなってニコニコと挨拶を返す。


正門の前に立って、登校して来る子ども達に朝の挨拶をする。そんな中でいつもは一際元気に挨拶をするこの人が不機嫌な表情で立っているのが、さっきから気になってしょうがない。


「あの…」


「…何?」


振り向いた顔は不機嫌そのもの。その姿に一瞬たじろぐ。


…うわっ。子ども達の前でなんて顔してんのよ。



「純せんせーおはよー。」

「…はよぅ。」



げーんーきーを出せぇーー!!



たまらずグッと肩をつかんで睨み付ける。


「何があったか知らないけど、子どもたちの前でそんな顔しないでくれますか?…大村先生!」
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