恋がしたい。ただ恋がしたい。
「好きだよ。香織ちゃんの事が好き。」
キスの間に、私に言い聞かせるように何度も耳元で『好きだよ』と囁かれて、心がゆっくりと甘い気持ちで満たされていく。
そのまま額に、瞼に、頬に、チュッとついばむようなキスが繰り返されていく。
嫉妬や誤解でざわついていた心は次第に落ち着きを取り戻して、代りに唇が触れた部分から燻るような欲情が沸き起こり、じわじわと全身へと広がっていった。
「……ん…ぅ」
首筋にキスを落とされると、思わず吐息混じりの甘い声が漏れる。
「………もうおしまい。」
突然キスを止めて身体を離した裕介くんに、思わず心の中で『…えっ?』と声が出た。
「……なんて顔してるの。あー、もう。そんな残念そうな目をしないでよ。」
甘ったるい時間から急に現実に引き戻されて、思わず不満げに裕介くんの顔を見上げてしまったらしい。
頬を赤く染めながらも、私を見つめるその目には、明らかな熱が宿っていた。
「…これ以上は無理。限界。このままだと、香織ちゃんが欲しくなっちゃうから。今…何て言うか、幸せのピークなんだよね…。だから理性を保つのでギリギリで、自分を止められる自信が無いよ。」
「…香織ちゃん具合悪いんだから、無理はさせたくない。香織ちゃんの気持ちも分かったし、僕の気持ちも充分伝わったと思うから、今日はこれでおしまい。ねっ?」
心配してくれる気持ちは嬉しい。……嬉しいけど、ここまで煽っておいて、何もしないなんて、あんまりだよ。