恋がしたい。ただ恋がしたい。
だけど、今は私のほうが『好き』の比重が大きいのかもしれない。
包み込まれるようにギュッと抱き締められると、それだけで心も身体も温かくなって、隅々まで満たされていく。
この部屋から離れたくないのは、私のほうだ。
裕介くんは居ないのに、ドアを開けて入るこの瞬間にも心踊ってしまうのだから……よっぽど重症なんだと思う。
***
さらさらと髪を撫でる感触に、眠りに落ちていた意識が引き戻された。
「……あ、起こしちゃった?」
目を開けると、申し訳なさそうに苦笑いする裕介くんと目が合った。
「ううん……大丈夫。……今、何時?」
もう部屋にはカーテンの隙間から朝日が差し込んできている。まさか、今帰って来たって事は無いとは思うけど。
「5時だよ。ちょっとだけ癒させて。」
そう言うと裕介くんはコロン、とベッドに横になった。
「背中向けて。うん。そうそう。……僕、たぶんすぐ寝ちゃうから、香織ちゃんが出る時間に起こしてもらえないかな?」