恋がしたい。ただ恋がしたい。
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午前10時。
私は朝からの憂鬱な気持ちも手伝って、ため息が止まらなくなってしまっていた。
それは志田ちゃんが待ち合わせとして指定した場所が、腹黒小山のいる『Milkyway』だったからっていうのも、少なからず原因になっていると思う。
オマケにたった今、志田ちゃんから『すみません!ちょっと遅れます!!』っていうLINEが、汗をかきながら急いで走っている羽付きウサギのスタンプと共に送られて来た。
このウサギは羽が付いてるのに、何で走ってるんだろう。飛べばいいのに。
そんなどうでもいい事を考えてしまうこの余計な時間にさえ、カリカリしてしまう。
……スタンプなんか付けている時間があったら、一刻も早くここに来て欲しい。
さっさと買い物をしないと、大村家に向かう時間も遅くなってしまう。って事は、志田ちゃんを待ってる間にお土産を買ったほうがいいよね……
絶対一人ではお店に入りたくないのに、時間に遅れるほうが嫌だと思ってしまう、この几帳面で真面目な性格が憎い。
はぁ、とまた一つこぼれ落ちるため息を止めようともせず、私は『Milkyway』のドアを開けた。