恋がしたい。ただ恋がしたい。

「はい、これ。奈緒だったらコレを渡せば喜ぶから。」

事前に準備していたらしい、差し出された箱の中には普通にここで売っているロールケーキよりも一回りほど大きなものが、ぎっちりと二本も収まっていた。


「これって……フルーツロールケーキ?そこに……売ってるヤツじゃないよね?」


「代金はいらない。それ、一本は奈緒用だから。」

……は?この30センチはあるでっかいロールケーキが一本丸々奈緒子ちゃん用?!


……って、違う違う。驚く所はそこじゃなかった。


「お土産なのに、お金を払ってないものを持って行けないわよ。」


一本はサービスだとしても、せめてもう一本分は払わないと。

食い下がる私に小山は、「いいよ。裕介にも迷惑かけたし、これは崎山へのお詫びも入ってるから。」と言って箱を強引に持たせてしまった。


そのケーキが入ってるとは思えないくらい、ずっしりとした重い箱を抱えながらも、私の頭の中は、はてなで埋め尽くされていた。

「迷惑かけたって……何の事?」


聞き返すと、今度は小山の方が驚いた顔になった。


「裕介から何も聞いてないのか?」

「……だから、何を?」

「ここ2、3日朝早かっただろ?……一緒に住んでんだよな?」


はい。最近だとベッドも一緒ですけど、何か?


……なんて、死んでもコイツには言わないけど。

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