恋がしたい。ただ恋がしたい。
「…どうしたらいいのかな?私、赤ちゃん抱っこするの初めてなの。」
奈緒子ちゃんに視線を向けると、彼女は「そんなに難しく考えなくていいですよ。頭だけ落ちないように肘で支えてくださいね。」と言って、ひょい、と蒼空くんを私の腕の中に収めてしまった。
「……わ、わっ。」
かくん、と落ちそうになる頭を慌てて支えて肘を固定する。生まれたばっかりではないからそんなに怖々と抱っこしなくてもいいはずなんだけど、やっぱり緊張してしまう。
蒼空くんは、私の腕の中に収まった一瞬だけパチッと目を見開いたけど、眠いのか再びすぅっと目を閉じた。
「何だか……ずいぶん大人しいのね。」
もっとお母さんじゃない他人に抱っこされたら、すぐに愚図って泣き出してしまうものかと思ってた。
腕の中ですやすやと眠る蒼空くんは、ふわっと柔らかくて温かくて、見ているだけで心まで温かな気持ちになる。
「……これは、仮の姿です。夜中になったら延々と泣き止まないんですから。人前だと大人しいんですよ。」
苦笑いしながら言った奈緒子ちゃんの言葉に反応して、木村くんはすかさず「誰に似たんですかねー。」と純くんを見ながら言っていた。
純くんは笑いながらも、「うるせーな。」と言葉を返す。