恋がしたい。ただ恋がしたい。
同僚の距離感とも何となく違う、親しげな様子に『ん?』と首を傾げた。
そう言えば、木村くんがどうして小山の事を知っているのか聞き忘れていた。
「崎ちゃん先生、何首傾げてるんですか?」
志田ちゃんが不思議そうに私のほうを見る。
「それ、先生のクセですか?何か、文鳥みたいで可愛いっすよね。」
思ってもいなかった木村くんの発言に、頬が熱くなる。
「へっ?なっ!何言ってるの?!って……蒼空くん、ごめん。……奈緒子ちゃん、ありがとう。」
『可愛い』なんて言われ慣れてないから、つい大声を上げてしまい、慌てて腕の中の蒼空くんを奈緒子ちゃんの元に返した。
私も抱っこさせてもらってもいいですかー?なんてキラキラとした瞳で奈緒子ちゃんにお願いしている志田ちゃんの横で、ニコニコと笑っている男をじろりと睨み付ける。
木村くんは悪びれる様子も無く、「あ、そうだ。俺、昔『Milkyway』でバイトしてたんですよ。」とサラッと口にした。
「…………え。」
昔ってどのぐらい昔?
確か、『Milkyway』がオープンして今年でちょうど10年だって紫が言ってたような気がする。