恋がしたい。ただ恋がしたい。
学生の頃だったとしても、三年か四年くらい前のはずだ。
その頃は新任だったし、今の学校に異動した頃は心の余裕も無かった。何より小山に散々キツイ事を言われた時だったから、『Milkyway』にはしばらく顔を出せなかった。
ようやく今のペースで通えるようになったのが、純くんと奈緒子ちゃんが結婚した一年前の事だ。
……そこまで考えて、胃の底がヒヤッと冷たくなったような気がした。
きっと、これからもこういう事はたぶん頻繁に起こるはずだ。
木村くんは私と純くんの関係は知らないだろうけど、私達が同僚でいる限りこうして気を遣ったり、純くんにも気を遣わせたりする事があるに違いない。
私達の事を知っている人達とこれから同僚になる可能性もゼロではない。
後ろめたい訳じゃない。好きだった事も付き合った事も真剣な想いだったし、今も後悔はしていない。
……だけど。
それは私だけの感情であって、裕介くんにとってはどうなんだろう。
私と出逢う前から……小さい頃から一緒に過ごしてきた友達や先輩との関係が、私と付き合う事で変わってしまったらどうしよう。
今も私と付き合っている事で、裕介くんに何か気を遣わせてしまっている事が……あるんじゃないのかな。
過去は消せないから。
私の存在自体が、裕介くんに迷惑をかけてしまっているのかもしれない。