恋がしたい。ただ恋がしたい。

「だから、このまま結婚してもきっとうまくいくよ。」


……不思議だな。亨とは長く付き合っていたけど、結婚したいなって考え始めたら、途端にうまくいかなくなってしまったのに。


ねっ、と微笑む裕介くんの穏やかな笑顔を見ていると、本当に今日このまま結婚したとしても大丈夫なような……そんな気がしてくるから、不思議。


「あと何が不安なの?付き合うまでちゃんと確めて無かったのって、身体の相性くらいだと思うんだけど……それも問題無いよね?」


「……っ。」


真っ赤になって俯いた私の返事を待つ事無く、車は走り出した。

走り出す直前に一瞬だけこっちを向いて笑った裕介くんの顔は、ニヤリとした腹黒王子の笑顔になっていた。



「あれ?……返事が無いって事は、問題アリ?僕は問題無いと思ってるし、十分満足してるんだけどね。……うーん。だとしたら僕の努力『だけ』が足りないって事になるよね。」


「…………。」


やっと分かった。今、この瞬間にも腹黒王子の『お仕置き』が進行中なのだ。
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