恋がしたい。ただ恋がしたい。

……これは、間違いなく嫉妬だな。うん。

純くんなのか、木村くんなのか、それとも小山に対しての嫉妬なのか……


ちょっとだけ拗ねてる腹黒王子には、素直に甘えて謝るのが一番だっていうのは分かっている。


……分かってるけど、私には『素直』になる事も、『甘える』事も、まだまだハードルが高いんだ。


いつもだと恥ずかしさが先に立っちゃうんだけど、今日は頑張って甘えてみよう。


「……裕介くん。純くんの家に行くことを内緒にしててごめんね。迎えに来てくれてありがとう。ケーキ、二人で食べようね。」


「……相性は……しばらく確めて無かったから…………確かめたい、な。」


……だんだんと小声にはなってしまったけど、ちゃんと伝えられたと思う。


「はい、よくできました。……たまに甘えられちゃうと、凄い破壊力なんだよなぁ。ほんと、運転中は手が出せないから勘弁して欲しいんだけど。」


顔を赤くしながらも、嬉しそうに笑う裕介くんにつられて頬が熱くなる。


裕介くんが、好き。


甘くて切ない気持ちが溢れて、胸がいっぱいになっていく。
< 268 / 270 >

この作品をシェア

pagetop