恋がしたい。ただ恋がしたい。

「自分の仕事がちゃんとした形で認められるようになったら、亘さんと結婚するってずっと言ってたもんね。…紫、おめでとう。」


おめでとう、と言った瞬間に少しだけ目頭が熱くなった。


「香織、ありがと。」


紫の目も少しだけ潤んでいるように見える。


「香織は色々あったのに、私だけしあわせになっちゃってごめんね。」


「…それは言わないで。」


なんだ、それ。素直に喜んでたのに…。紫の余計な一言で楽しいお酒が、またやけ酒に戻ってしまった。


…って、あれ?ちょっと、待って?


「今、そのままここに住めって言ったよね…えっ!?私がそのままって事は…紫の部屋に私が…って…。」


「はい。ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」


焦る私の視線をニコニコと受け止めて、裕介くんがわざとらしく床に三つ指をついて頭を下げた。


「やだ、裕介ったら。そうやって挨拶するのは香織のほうでしょ。」


ゲラゲラと笑いながら突っ込む紫と、


「そっか。じゃあ、どうぞ。」


と私に挨拶を促す裕介くん。


「えっと…ふつつか者ですが…って、ちょっと待ちなさいよ!」


何?…私、これからここに裕介くんと二人で住むの!?
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