恋がしたい。ただ恋がしたい。
「残念。途中までノッてくれたのに。そんなにさらっと騙されないか。」
「当たり前よ!3人ならともかく…」
いくら親友の弟だからって…友達だからって…裕介くんと二人っきりで同居なんてありえないでしょ!
…ってか、今さらっと『騙されないか』って言った?!
はっ、として裕介くんに視線を向けると、彼はいつものニコニコキラキラッとしたキラースマイルではなく、一瞬だけ唇の端だけをキュッと持ち上げたニヤリとした笑顔を見せた。
…裕介くんって実は腹黒いんだろうか。
何だか同居する事に危険しか感じられないんですけど!!
「ま、香織ちゃん。ここで暮らすのって香織ちゃんにとって悪いことじゃないと思うんだけどな。ね、紫ちゃん。」
黒王子はさらに私を追い込もうとする。
「そうよ。裕介だってココに一人で住むには広すぎるもの。二人して部屋を探すより、落ち着くまで一緒に住んじゃったほうがいいって。ココなら、敷金も礼金も払う必要無いわよ。」
…お金が無いなんて話するんじゃ無かった。
敷金、礼金が只なんて言われちゃったら…途端に気持ちがグラリと傾いてしまう。