君に熱視線゚

食事をしながらそこで咲き誇るのはやっぱり恋バナ。

1年何組の誰がいい。かれがいい。2年の、3年の、……。そんな話しで屋上は色めいている。


晴樹の名前もちらほらと聞こえてくるが、競争率の高そうな相手は端から諦めて手短で手を打つ者もいるようだ。


「ねぇ、1年の夏目君もいいよね」

「ああC組の!?
水泳やってるだけあってイイ体してるよねっ」

「そうそう!夏目物産の息子だって」

「うそっ!かなりおいしいじゃん」



あちらこちらから聞こえてくる同じような話のネタに、苗は箸を止めた。


「……ここはまるで女豹の巣窟だね……」


「……だね……」

苗のボヤキに由美は静かに答えた。

乙女の下心満開に咲き誇る屋上。そして、校舎内でもその手の話題には花が咲く。


「あ、結城さんよ……」

「今日は中島さんの従兄とつるんでないんだ?」


女子の声が色めきたつ。廊下のざわつきに教室でランチをしていた中島達のグループはその様子に顔を上げた。

教室のドアが開き晴樹が顔を覗かせる。

誰かを探しているように教室を見渡す晴樹に中島は当てずっぽうで言ってみた。

「苗なら、ここの屋上ですよ……」


「あっ、そう?サンキュ!」


晴樹は中島に礼を言うと直ぐに背を向けた。


(やっぱり苗か…何の用なんだろ?…)

中島は考え込みながら弁当をつついた…。

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