君に熱視線゚

「頼むからあんまり見ないでくれる?」

晴樹は苦笑いしながら言った。
晴樹がパスタ兄さんだとわかった瞬間、三つ子の態度が変わり晴樹を羨望の眼差しで見つめ始めた。


「そっくりだな?‥
苗は見分けつくんだろ?」

晴樹の問いに苗はサラッと答える。

「うん。ブラ被ってたのが陸(りく)で、今奥に行ったのが 海(かい)。んで、キャベツ担いでるのが空(そら)‥‥」


「へぇ‥さすがだな…」


「じゃ、すごく狭いけど上がって!」

車の荷物も全部運び終わり晴樹は苗に誘われるまま家にお邪魔した。


(…っ…マジで狭いな…)

居間に足を踏み入れた途端、晴樹は圧迫感に襲われた。

目の前の景色を見渡せば、擦りきれて色の変わり果てた畳みに長方形の座卓が二台繋げて置いてある‥

そこには苗のW祖父母のペアがちょこんと座っていた。

そして、隅の方には腹巻きにステテコ姿で横になり、尻を掻きながらテレビを観ている人が居る……。

晴樹はその後ろ姿に目を止めた。

(……!っ…もしかして‥満作父さんか?)


「もう!!また父ちゃんそんな恰好してっ!?お客さんだよ!!」


(やっぱり、満作父さんかっ…)


満作はせっかくくつろいでいるところを苗に無理矢理起こされていた。

そして、晴樹と目が合う‥

「おう!なんだ苗のコレか!?お前ぇもやるなぁ、さすが俺の娘だ!がははっ」

照り焼きソースを塗ったように日焼けした顔。不精髭を伸ばし、苗に似たクッキリの目で小指を立ててちゃかし、豪快に笑う。

その姿はまるで島国の人を思い出させた…

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