君に熱視線゚


(──…っ…やばい…想像通りだ…)


晴樹は生唾を飲んだ。

「父ちゃん何言ってんの?……あっ、兄さんはこっち座って!」

満作父さんに出会えた喜びを密かに噛み締めながら、晴樹は苗の後についていく。

和室八畳間に敷き詰められた座卓を股ぎながら歩くと、苗は我が家の大事なお客さんだ!と皆に紹介し、うすっぺらい座布団を三枚重ねて晴樹を上座に座らせた。


「食事の用意するからテレビでも観てて!」


苗は晴樹にそれだけ言うと台所に消えて行く。
突然放置された晴樹は取りあえずテレビに目を向ける。

「……?」

そして妙な視線に気づいた晴樹は斜め隣に座っていたばあちゃんと目が合っていた……。


ばあちゃんは晴樹にそっとミカンを差し出した。

「…っ…あ、ありがとうございますっ…」

取り合えず礼をいう。

そして、しばらく経つと三つ子が狭い場所でドタバタと暴れ出し、プロレスを始めた。

真後ろで暴れ回る三つ子の足が、時折晴樹のケツに蹴りを入れる…

晴樹はその度にお茶を吹き溢し口を拭った。

「……っ…」
(こんな環境で育ったのかあいつは…)

小さく尊敬してしまう。


そして、台所から苗が出てくると座卓に手際よく、ホットプレートを二つセットして食器を並べていく。

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