君に熱視線゚

ただ、考えてみたらこんなに必死で食べなくても家に帰れば食うものはいくらでもあるはずなのに…

晴樹はそう思いながらも咳が落ち着くと再び箸を動かし始めた。


苗は食事の“シメ”に岩のりのお吸い物を出す。


「あー‥‥‥旨ぇ‥‥」

一口啜ると自然と晴樹の口から声が出た…


本気で旨いと思った‥‥

戦いのような食事の後に、このホッとする汁物は最高だと初めて感じた瞬間だった。


旨い物は沢山食べてきたが、今まで感じた旨さとは全然違う。

どんなに有名な料理人が作っても、晴樹は軽く箸を付けるだけが多かった…
だから、あまり食べる事に興味を持つこともなかったのだが‥‥


(……食事の雰囲気ってのも味に左右するのかもな………)


晴樹はキレイに完食した。


「じゃあ、ご馳走様。制服できたら学校に持っていくから……」

「うん、兄さん今日はホントにありがと!!
時間なかったから大した物は作れなかったけど、今度はちゃんと招待していっぱいご馳走準備するからまた来てね!」


苗の言葉に晴樹は自然と顔がほころぶ‥‥

何だかとても名残惜しい。

「ああ‥楽しみにしてる…」


晴樹はそう返すと車に乗り込み後ろ髪を引かれる思いで家路に向かった。






(はぁ‥何だか疲れたな今日は…)

晴樹はため息を着きながら家に入った。

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