君に熱視線゚


現実を語る由美に苗はうぐっと口を閉ざす。だが苗は諦め切れなかった……

「…そ、れもそだね…じゃあ、せめてお姫様抱っこかな!」


「…うん。それが妥当だね……ダイエット、頑張ろうね」


「はい…」

痛い所を容赦なく突く。苗はそんな由美の隣で肩身を小さくするしかない。

密かに落ち込む苗をよそに、由美は隣の結城学園の方に顔を向けてぼやいた。

「んでも、どんな人がいるのかな~…お隣、って言っても高いブロック壁に遮られてるから近くじゃ見えないし、校舎から眺めてもちっちゃ過ぎて見えないし…」


「うーん…でも、考えたらはっきり言ってタダの合コンくらいで浮かれてなんかいられなよっ! これからバイト先にもお願いして、ちょっと勤務時間増やしてもらわなきゃだよ…」

「‥大変だね‥
大所帯だもんね…なえちんトコ」

「うん…」

そう、何故に貧乏って大所帯なんだろう…

苗の家は両親二人、両親の親も二方元気で健在。

苗の下には小学3年生の三つ子の弟……


(…あたしゃよし子ちゃんかいな?)


占めて10人家族。
そして…夕べの夕食時にオカンの口から最新情報が…


『ウフッちょっと聞いて……今ね……三ヶ月目だって…』


『――!っ…』

苗は一瞬、恐怖に震えた。

デキてしまったのならしょうがない…

両親仲睦まじいのは良いことだ。

ただ…これからはデキない方法でいたしてほしい……
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