君に熱視線゚

苗は膝を抱え、背中を丸める。

(はぁ…恋愛を楽しむ余裕なんて、あたしにはナッシングだよ……)

花の女子高生の嘆きが聞こえた。


そして、そんな苗の苦労をよそに合コンの日はやってくる…


「――苗っ!行こうよぉ」

ホームルームも終わり、中島が他のクラスの女子を引き連れて苗に声をかけた。


「ごめんっ!中ちゃん、先に行ってて。場所教えてくれたら絶対行くからっ」


苗は中島に事情を話した。

「…え、買い物? いいよ。あんたも大変だね…じゃあ先に行っとく! 場所はココだからわからなかったら携帯にかけて。じゃ、お先ぃー」


苗の家庭事情を知っている中島は快く了解してくれた。


そう、今日は土曜日! 待ちに待った特売の日

苗は必要なお買い得品にペンで赤丸をつけたチラシを握りしめ【スーパー丸一】に向かった。


(はぁっ…急がないとタイムサービスに間に合わないだょっ! )


苗はタイムサービスの目玉商品。玉子1パック20円を狙っていたのだ。


そう。苗の家は10人家族…1パックの玉子なんて一回の食事で使いきってしまう。

苗はなんとしても段ボール一箱ごと買い込みたかった。

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