好きも嫌いも冷静に


「澪さん?好きですよ。
今夜は随分…積極的ですね?」

言い終わると同時に、俺は目の前の唇を頂いた。

「あ‥、伊織さん…」

澪さんは顔を赤くして両手で口を覆った。

「…とても離れがたいのですが…。話にはまだ続きがあります」

そう言って抱き起こされた。
何?今度は…何?。これ以上の驚きだと、どうなるか…。

「これも勝手に決めて来ました。
次の休み、日柄が良いので式をあげます。神前式で、うちの両親に立ち会ってもらいます。俺と澪さんとうちの親だけで済ませます。
澪さんの事は、親には話してあります。何も問題はありません。
何てったって、俺の大家さんですから。
きちんとした挨拶は、会った時で大丈夫です。何も心配はありません。
神様に、二人仲良くやって行く事、報告しておかないとね?これはとても大事な事です。
それから、英雄のお店で半貸し切りみたいに、お祝いしてくれるって、言ってます。
その日の店に居るお客さんも巻き込むつもりらしいから、賑やかになるでしょう、きっと。
その時はウエディングドレスを着ましょう。
これは一緒に見に行きましょうね?
流石にドレスを内緒に準備するのは‥、色々難しいですから。
それと、マリッジリング、一緒に買いに行きましょうね?
澪さん?
やはり勝手に色々進めて…、駄目でしたか?」
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