好きも嫌いも冷静に


襦袢の紐を解きながら、前の合わせに手を掛け少し開けた。
やっぱり着物のせいか、何だかドキドキが増してる気がする。気のせいか…。何にドキドキしてるかなんて、明確に解るはずもない‥。全てのことにだ。
白くて、陶器のように艶っぽい肌が現れた。
仄かにやわらかい香りがした。
俺はその首筋に唇を這わせながら、開けた中へと手を入れた。
ダイレクトに触れる感触に思わず環さんを見た。

「着物の時は下着は着けないのよ…」

心は易々と読まれていた…。俺の手の動きに反応して声が洩れた。それを唇で塞ぐ。啄むようにしながら、触れた。脚が動いた。襦袢の裾が捲れ軽く膝を立てた白い片脚が覗いた。

「ん、ん…英雄‥」

頭を抱き抱えられた。

ギシギシと軋む。でかい俺とシングルに二人…大丈夫か心配になった。

「…大丈夫よ」

環さんが囁いた。
何が大丈夫なのかは…この場合もう解らない。
ああ、…幸せだと思った。
環さんも同じ思いだろうか…。そうだといいけど…。

「あ、…英雄…ダ、メ」

言葉通りになんて受け取らない。
もう、止められない。
俺は唇を塞いだ…。
柔らかい肌に触れた。
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