嘘つきな愛の詩



翌日、またもや緊張しながらの出勤。先輩はやっぱり会社ではいつも通りで拍子抜け。


こんなにも


何もなかったように過ごせるものなんだろうか?




「詩?今日も残業組み?」

笑いながら聞いて来る。

「今日も残業組みですよー」

少しの寂しさと

前よりも少し力を脱いて喋れるようになった心の距離。



一人、また一人と帰って行く中で



静かなオフィスにとうとう先輩とふたりきりになってしまった。



「詩はあとどれくらいで終わりそう?」

「軽く1時間はかかりますね」

笑いながら言った私に「俺はその3倍くらい」と先輩も笑う。


二人きりでもオフィスにいる時はやっぱりいつもの先輩だ。


そう思った瞬間

先輩が信じられない言葉を私に告げた。


「今日さ、彼女の誕生日なんだよ。そんな日に残業なんて…

女だったら…どう謝られたら許せる?

詩、アドバイスちょうだいよ」



えっ…?


彼女?



< 19 / 34 >

この作品をシェア

pagetop