さよなら苺飴
君は僕を思い切り抱きしめる
力が強すぎて僕は呼吸がしにくくなる
子供みたいにしがみついてくる君は
まるで明日を迎え入れたくないようだった
「・・・・12時過ぎたら」
君がボソッという
「ん?」
「あ、深夜の12時ね、12時過ぎたら子供は明日においかれて明日に行けないらしいよ」
「ふーん。そんな話あるんだね」
君はたまに馬鹿みたいなことを言う
「そう。子供にそう言い聞かせて寝かせる家もあるらしいよ」
時計を見ると12時過ぎだった
「明日に置いてかれちゃったね」
そう僕がいうと君は鼻で笑う
ふふっと、
階段をスキップで上がるかのように軽快に笑う君