恋に落ちるなら君がいい


「意地悪を言うんだね…


野嶋君は…慧の親友だったのに…」



心にチクチク棘が刺さる。


もしかしたら

野嶋君も

私と同じなのかもしれない。



同じ痛みを

探しているのかもしれないと…


勝手に想像してしまう。



「橘はもし、あいつが…

スゲー幸せだったとしたら?

どうする?」



真剣な眼差し。


もしも話しに花を咲かせたって

もしもはもしもなんだ。


誰も答えを知らない。


そうだったとしたら。なんて話しをして何になるというの?


「答えてよ」


無意味な会話を

真剣に話しする野嶋君が

慧の影をいつまでも探してる

悲しい人のように思えて

可哀想で

私と同じで

ちょっと違う。


だけど…


その、もしも話しに答えれないのは

もしかしたら

私が野嶋君以上に慧の影を探してるからなのかもしれない…。



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