【空色の未来[海色の過去]】
≪第4章 傷だらけの王子様≫
涼介side





俺を置いて、彼奴等は屋上から出ていった。


糞っ、女と二人なんて吐き気しかしない



俺は女を一瞬たりとも目にいれないように空を見上げた。






「空、綺麗でしょ」




女が言ってきた
だけど俺は無視した

それでも女は続ける




「この空のさらに向こう側には無数に広がる星があるんだよ」




「だけどその星も何時かは死んでいってしまう。大切な人を残したまま…」





俺は女の顔をそっと気づかれずに見た…


そこには、空に向かって微笑みかける儚い少女の姿があった

そして、見てる俺に気づき




「人はとても脆(モロ)くて弱い…だから人に支えて貰いながら生きてるんだよ…」




泣きそうなくらい、儚く、儚く、笑った


俺はどうしようもなく心が刹那くなって無性に誰かに縋(スガ)りたくなった





「お前は、本当に何者何だよ…」




「知りたい?」





俺はゆっくり頷いた。





「なら、まず自分の事を言いなよ…」





驚いた…

この女はもうとっくに俺になんかあったって事に気がついてた


もしかすると、
この女なら…


何でだろうな、この女にあの事を話そうって気になった。

俺はその場に胡座(アグラ)をかいて座った…



「俺…。」




「うん」



「俺な…。」




「うん」








やべっ…絶対後悔する…
言ったら絶対この女、引くって…




体が震えた…



恐えって心が言ってる…



なんだよこれ、超ビビってる…






「大丈夫、何を言っても全部受け止めるから…言いたくなったら、言いなよ…」




女は俺の隣に来て、そう一言言って俺が言うのをずっと待ってる…



だから俺は勇気を振り絞って言った…









「俺……………ソープしてた…」







俺の言葉に女は黙っていた…




「…ははっ、引いたよな。気持ち悪いって思ったよな…。」




自分で言って虚しくなった。


俺、なんで女なんかに話してんだろ…



馬鹿ら…「そんなことないよ。」




突如女は言った。





「そうなる他なかった…。自分を、誰かを護るためにそれしか方法はなかった」





ムカつく…

何でも分かってるような口ぶりがイラつく…





「てめえに何が分かんだよ!!何も知らねえくせに!!」




「うん、知らない。あんたのことは…」





……。





「だけど、誰かを守って傷つく事の辛さを知ってるから…何となく分かるな…」








こいつも…似たことにあってんのか…



ふいに俺の頬に暖かいものがつたった…
それは溢れ出てくる涙だった…

まだ枯れてなかったんだな…
あの時一緒に涙も消えたんだと思ってた


もうぶちまけちまおうかな、この女に…





「俺…好きで売春してたんじゃねえ」




「うん」




「兄ちゃんを助けたくて…」




「うん」





「あのな女、」



「美緒でいいよ」





「美緒、あのな…俺の話聞いてくれるか?」





「うん」









< 12 / 35 >

この作品をシェア

pagetop