【空色の未来[海色の過去]】
美緒side



パァーン…ドドーン…パァーン…


何て綺麗なんだろ…

目の前で盛大に咲き誇るこの花は
きっとこの一瞬は世界で一番素敵だよね


前にもこんな風に
お寺の前の階段に座って、
花火が空を染める瞬間を観たことがある

その頃は、
心の痛みも…哀しみも…全て知らなくて

世界がどこまで続いてるのか
好奇心で溢れていた…





“あの頃に帰りたい”








「なぁ、“時”ってのは過ぎていくのが早いと思わねえか…?」


隣から響也の呟くような、でもはっきり聞こえる声が私に届いた…


「…うん…思う」




響也は立てていた膝に両肘をついて
深呼吸に近い溜め息を吐いた。



「なぁ…俺の昔の話聞いてくれるか?」


静かに私は頷いた


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