オフィス・ラブ #∞【SS集】
お兄ちゃんのTシャツに、はい、と何かをくっつける。
すごい、クワガタだ。
お兄ちゃんも、歓声を上げた。
「すげえ、どこにいたの」
「間抜けな子らしくて、あっちの網戸にとまってた」
家の明かりに誘われたんだろう。
私たちは、家の周りにあまりこういう自然がないから、じいじの家や、この別荘で遊ぶのが、毎年ものすごく楽しみだ。
凛ちゃんママが、面白そうにクワガタをつつきながら言う。
「観察して、自由研究にしちゃえば」
「そうだ、私も花の絵、描かなきゃ」
「母さんにだけは、手伝わせるなよ」
からかうお父さんに、ひどい、とお母さんがふくれる。
大丈夫、絶対手伝ってもらわないから。
「作文なら、手伝えます」
「それこそ、由宇なんて、誰の助けもいらないだろ」
「また賞とったんでしょ? すごいね、恵利の血かなあ」
「ライターとして、うちの会社に入るといい」
「新庄の親バカって、妙に現実的だよね…」
そう、私は作文が得意。
本を読むのが大好きで、同じく本好きの凛ちゃんママと、いろんな本を貸し借りしてる。
なんちゃら省のなんちゃら賞とか、もう数えきれないくらいもらってる。
でもね、別にこれで食べていこうとか、そんなことは思ってない。
なんとなくだけど、私には夢がある。
「会社」に入ること。
すごい、クワガタだ。
お兄ちゃんも、歓声を上げた。
「すげえ、どこにいたの」
「間抜けな子らしくて、あっちの網戸にとまってた」
家の明かりに誘われたんだろう。
私たちは、家の周りにあまりこういう自然がないから、じいじの家や、この別荘で遊ぶのが、毎年ものすごく楽しみだ。
凛ちゃんママが、面白そうにクワガタをつつきながら言う。
「観察して、自由研究にしちゃえば」
「そうだ、私も花の絵、描かなきゃ」
「母さんにだけは、手伝わせるなよ」
からかうお父さんに、ひどい、とお母さんがふくれる。
大丈夫、絶対手伝ってもらわないから。
「作文なら、手伝えます」
「それこそ、由宇なんて、誰の助けもいらないだろ」
「また賞とったんでしょ? すごいね、恵利の血かなあ」
「ライターとして、うちの会社に入るといい」
「新庄の親バカって、妙に現実的だよね…」
そう、私は作文が得意。
本を読むのが大好きで、同じく本好きの凛ちゃんママと、いろんな本を貸し借りしてる。
なんちゃら省のなんちゃら賞とか、もう数えきれないくらいもらってる。
でもね、別にこれで食べていこうとか、そんなことは思ってない。
なんとなくだけど、私には夢がある。
「会社」に入ること。