オフィス・ラブ #∞【SS集】
と、ほっとしたのもつかの間。


唇を合わせながら、新庄さんがにやりと笑ったのが、私にはわかった。

はっと全身を緊張させるけれど、何が来るのかわからず、警戒のしようがない。


新庄さんは、一度唇を離して、目をのぞきこむように、ごつんと額を合わせると。

いたずらっぽく、軽いキスを落として、言った。



「覚えとけ」



その眼が、明らかに悪い光を宿しているのに気がついて、背筋が凍る。



「たちが悪いってのは、こういうのを、言うんだ」



悪魔のような微笑みで、そうささやくと、さっとテーブルに手を伸ばして、スピーカーの音量を上げ。

まさに宣言どおりの、私の身体に、直接叩きこんで覚えこませるような猛攻撃を仕掛けてきた。


まさに、たちが悪いとしか言えない。


獰猛で、執拗で、横暴で。

いやらしくて、ずるくて、いっさいの手加減もない。



私の声は、スキール音に消されたと思うけれど。

はっきり言って、自信がない。

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