きみに想う 〜赤の民族〜
「すみません。大丈夫ですか?」

幼い少女相手でも

柔らかく丁寧に謝る男の服は

騎士ではないものの

田舎には居ない

上質な布を纏っている、貴族だ

少女は恐怖のあまり

何も言えず

不自然なほど身体が震えているのが

わかる

変に思われたら最後と分かっているのに

怖い

そう思った

次の瞬間

突然手を引かれて

その場を離れた
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