恋する僕らのひみつ。
駅ビルの本屋さんを出て、二階堂先輩とうちのマンション近くの公園に来た。
辺りは薄暗くなり、東の空には白い三日月が見える。
ベンチに座ると、先輩に肩を抱き寄せられて、
あたしは先輩の体にもたれかかる。
――トクン、トクン……。
この胸の音が、先輩に聞こえませんように。
そのとき、
――ブーッ、ブーッ。
先輩のブレザーから、マナーモード中のケータイが振動している音が聞こえてくる。
「先輩、ケータイ鳴ってますよ……?」
「うん」
「出なくていいんですか?」
「うん。だってせっかく結雨と一緒にいるのに、誰にも邪魔されたくない」
「せ、先輩……っ」
先輩の甘い言葉に、あたしの鼓動はいっそう忙しくなる。
すぐにケータイの振動音は止まった。
先輩はいつも優しい。
あたしを誰よりも大事にしてくれてるのが伝わってくる。
……好き。
だから、大丈夫。
大丈夫だって思ってるのに。
どうしてあたしは……。
「結雨……好きだよ……」
先輩は、あたしの瞳を見つめて優しい声で言った。
先輩の顔がゆっくりと近づいてくる。