恋する僕らのひみつ。


心臓が……止まるかと思った。



「せ、先輩……っ」



「なに読んでたの?」



「け、け……」



「あぁ。ケータイ小説?好きなんだ?」



「は、はい……」



胸のドキドキが……



ドキドキが止まんないんですけども……!



「待たせてごめんな?」



「ぜ、全然、大丈夫です!」



先輩……周りに人がいること、忘れてませんか……?



ここ本屋さんですよ?



みんな、あたしたちのこと見てますよ?



抱き締められたまま、どうしていいかわかんない。



恥ずかしくて、体が固まって動けない。



いま、あたし……絶対に顔赤くなってるだろうな。



「……あたしがここにいること、よくわかりましたね」



「結雨は可愛いから、遠くからでもすぐに見つかるよ」



ヤバい、ヤバい、ヤバい……。



ドキドキしすぎて、ぶっ倒れそう。



ねぇ、これって。



好きな人がどこにいても、すぐに見つけちゃうっていうあの心理ですか?



「あ、いまのクサすぎた?」



「いえ……」



うれしい。



こんなにドキドキして、あたしの心臓大丈夫なのかな。



「行こっか」



先輩は、あたしを抱き締めていた腕を緩める。



あたしが下に落としてしまった本を、先輩は拾ってくれた。



「あ、すいません……」



あたしの言葉にニコッと笑顔を見せる先輩。



本を置いた先輩は、あたしの手をぎゅっと握りしめて歩き出す。
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