工業高校のイケメン達に愛されて【上】
「あーうるせぇ。じたばたすんなよ、危ねぇだろ。どうせお前、降りても歩けないんだから。」
滝本くんは、坂口くんに向かって「魅斗、行くぞ。」と続けて言って、あたしをおんぶしたまま歩き出した。
「…で、でもっ」
「緋奈ちゃん、優介に甘えときなって。多分こんな優しい優介、今までで初めてだよ。」
「おい魁斗、余計なこと言うなよ!」
「で、でも、滝本くんに絆創膏もらったし歩けるよ!それにあたし重いし…っ」
「うん、めっちゃ重い。」
なっ…!?
自分でそう言うのは全然平気だけど、人に言われるとやっぱりショック…!
「だ、だから降りるって…!」
「…ふっ、嘘。全然重くねえよ。」
「へっ?」
「今日の俺は、いつにも増して優しいんだよ。うんうん。だから、黙っておんぶされとけ。」
えっと…これは、自画自賛ってやつか…?
滝本くんの表情は見えないけど、坂口くんは変わらずにこにことしてあたしを見てる。